2018年の「セイクリッド」
皆様は「セイクリッド」というテーマをご存じだろうか?
およそ7年ほど前の「DUEL TERMINAL-星の騎士団 セイクリッド!!-」にて登場し「X召喚」を主体とするテーマである。その知名度・イメージから、アニメ出演まで果たし強力なXモンスターを使って主人公を苦しめた。ペンデュラムをバウンスしまくるという意味不明な展開でした
しかし、その後は特にピックアップもされず、新規カードも追加されなかった。
同期であり、似たようなデザイン性の「ヴェルズ」にはリンクモンスター
が登場したりしているが「セイクリッド」には未だリンクモンスターは登場していない。
将来性はもう無いのだろうか。
それは全くの勘違いだ。
セイクリッドは《ファイアウォール・ドラゴン》
の登場によって驚異の展開力を手に入れた。今回はそれを紹介していこうと思う。
【過去と今、セイクリッド変化の歴史】
「セイクリッド」と聞いてわかるプレイヤーは、まずどのようなカードを思い浮かべるだろう?個人的な見解だが、おそらくそれはこの2枚だ。
アニメにも登場したこのカードは「展開→レベルを変動→X召喚」という、セイクリッドの基本的な挙動を説明するのに最も適したカードだ。
だが、新マスタールールの影響によって、このギミックだけではセイクリッドの展開力を活かすことができない。 EXモンスターゾーンが埋まってしまうからだ。
現在のセイクリッドはこの2枚を使用せずとも「リンク召喚」で怒涛の展開ができるテーマに変貌した。
増加したカードプールによって、非常に強力な扱い方ができるようになったセイクリッドが、この3枚だ。
モンスターを入れ替える効果を持つ《セイクリッド・ハワー》
サーチ効果を持つ《セイクリッド・エスカ》
墓地回収効果を持つ《セイクリッド・アンタレス》
この3枚を《ファイアウォール・ドラゴン》と併用する事で、セイクリッドは今までに無い、圧倒的な展開力を発揮できるのだ。
【ギミックの手順】
フィールド:《ファイアウォール・ドラゴン》《セイクリッド・ハワー》 (2枚を"隣接"させる)
手札:通常召喚できるモンスター ※ファイアウォール(2)効果を誘発させる為に必要
手札or墓地:《セイクリッド・エスカ》
①ファイアウォールと隣接した位置でハワーの効果を発動。自身をリリースしエスカを特殊召喚。
②チェーン1「ファイアウォール(2)効果」チェーン2「セイクリッドエスカ」効果と処理し、デッキからセイクリッドアンタレスを加えファイアウォールで特殊召喚。
③アンタレスの効果が誘発し、墓地のハワーを手札に加える。
④エスカ+アンタレスでリンク2モンスターをリンク召喚。ファイアウォール(2)効果が誘発し、ハワーをファイアウォールと隣接するように特殊召喚。①に戻る。
以上の手順で「ファイアウォール+セイクリッドハワー」の2枚をフィールドに揃えるだけで、リソース消費なく無限の展開・リンク召喚を可能とするのだ。
「エスカ」のサーチ先がデッキに無くなった場合は「アンタレス」で墓地の「ハワー」を拾い続けるだけでリンク数を「アンタレスの数」だけ増やし続ける事ができる。
更にこのコンボは「ファイアウォール(1)相互リンクぶんのモンスターを手札に戻す」効果を必要とせず、セイクリッドのみでギミックが成立している。足りない場合に限りコンボパーツを拾ったりできるので、コンボのルート・パターンを非常に多く用意できるのだ。
【どのようにセイクリッドへアクセスするか?】
セイクリッドには2種類のサーチャーが存在する。
後者はコンボパーツでもある。良いカード
無論これらのカードも使用するが、セイクリッドの展開は「初動にセイクリッドを必要としない」という部分も強みである。
《水晶機巧-ハリファイバー》から《幻獣機オライオン》を特殊召喚し《サモン・ソーサレス》に繋げ…トークンを参照し、任意の機械族にアクセスするコンボがある。
そう《セイクリッド・エスカ》《セイクリッド・アンタレス》は機械族のため、このコンボによってデッキから直接サーチができるのだ。
サモンソーサレスによってフィールドに特殊召喚されたセイクリッドは効果を無効化され、サーチや墓地回収はできないが、元々このテーマ、ギミックは「セイクリッドハワーで手札か墓地のセイクリッドを特殊召喚する」のが目的なので、デッキ以外のいずれかの領域に置ければ良いのだ。
【サンプルレシピ】
ファイアウォールへの円滑なアクセスを考えて《No.42 スターシップ・ギャラクシー・トマホーク》を採用する事にした。このデッキの場合は
「ランク7を立てられる」
「手札にモンスターが1枚以上ある」
この2点が成立していれば、セイクリッドを絡めてエクストラリンクを狙う事ができるように構築されている。
エクストラリンクの完成盤面自体も非常に硬く
「戦闘・効果で破壊されない」
「ファイアウォールのバウンスが3枚ぶん」
「トライゲートの無効化」
「返しのターンに3ドロー」
「相手はリンク召喚でしか特殊召喚できない」
となる。ルート、パターンはtwitterなどで、動画付きでも解説をしているため、興味があれば見に来て欲しい。
手札誘発をフル投入してあるのは理由があり、このデッキは「モンスターさえあれば、最悪そのカードを展開カードに使用しても良い」という非常に緩い性質を持っているからである。
なぜなら「コンボ展開にファイアウォール(1)効果が絡まないから」である。展開に使用した手札誘発をファイアウォールで拾って構えたりできるのだ。
【最後に】
このデッキは元々「リンク召喚のルール」が導入されファイアウォールが判明した時点で考え続けていたデッキ・ギミックである。
1度ファイアウォールの規制によって「構築不能」と思い触るのをやめていたが、よく考え直したらエクストラリンクまで問題なくいけたので、こうして紹介をすることにした。
無理にエクストラリンクを狙わずとも、強い盤面は作れるので色々な展開パターンを考えるのも楽しいだろう。興味があればぜひこの「セイクリッド」に触れてみてほしい。